
焼き鳥は日本人の馴染み深い料理の1つとして多くの人に知られています。しかし鳥は、捨てるところがないといわれるほど食べられる部位が多い動物といわれています。 普段見かけない部位を提供しているお店もあり、1羽からわずかしか取れないために、流通量が少なくなっている部位も少なくありません。今回は、そんな焼き鳥の希少部位について詳しく解説していきます。
1. 焼き鳥の希少部位
焼き鳥には希少部位と呼ばれるものがあり、どれも違った特徴を持っています。一度は食べたことがある部位から普段は聞き慣れない部位まで紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
1-1. 心残り
鶏の心臓はハツ・ハートなどと呼ばれていますが、その心臓の近くに「心残り」という希少部位があります。心臓にはいくつもの血管が通っており、心臓の根元部分にある血管のところを「ハツ元」、肝臓とつながっている血管を「ハツ紐」と呼び、この2つを合わせて「心残り」といいます。
串1本を作るのに5羽以上必要といわれる貴重な部位のハツですが、昔は血抜きが大変ということで捨てられることも多かったそうです。一方捨てなかったお店もあり、ハツの残りということで「心残り」と呼ばれるようになったといわれています。やわらかい弾力があり、内臓部分が苦手という方も安心して食べることができます。
1-2. ハラミ
牛や豚でもよく知られている部位で、牛や豚では横隔膜のことを指しています。横隔膜は哺乳類にのみ存在する器官ですので、鶏にはありません。
そのため、鶏の横隔膜に相当する腹筋(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)を鶏のハラミと呼びます。1羽につき10gほどしか取れない貴重な部位で、1串作るためには約3羽分が必要だといわれています。牛や豚のハラミは赤身肉のような見た目と味ですが、鶏のハラミはコリコリして、脂のあるホルモンのような食感となっているのが特徴です。
1-3. おび
鶏の太ももの内側に、一部厚くなった部分がありますが、そこが「おび」と呼ばれる部位になります。左右の足に1箇所ずつ、1羽につき2個しか取れないので、かなり貴重な赤身肉といえるでしょう。非常にやわらかく、牡蠣のようにジューシーな味わいであることから、「オイスターミート」という別名もあります。
1-4. ソリ
ソリもおびと同じもも肉の一部であり、腰骨のくぼみについています。ピンポン玉くらいの大きさであり、こちらも1羽につき2つしか取ることができない貴重な部位といわれています。筋肉が発達している部位なので、歯ごたえのあるジューシーな味わいを楽しむことができるでしょう。
ソリは別名「ソリレス」とも呼ばれており、ソリレスとはフランス語で(Sot-l’y-laisse)「これを残すものは愚か者だ」という意味を持っています。ソリレスは本来見つけにくい部位で、未熟な料理人だとそのまま捨ててしまう、あるいはもも肉の一部として別の料理に使ってしまうということもあったため、このような名前になりました。
1-5. フリソデ
別名「鶏トロ肉」とも呼ばれています。鶏の体は、むね肉に手羽元がつき、その先に手羽先がついていますが、このむね肉と手羽元の中間部分が「フリソデ」となります。
さっぱりしている反面、ジューシーな味わいがあるという贅沢な部位なので、クセになる方も少なくありません。1羽につき40~60gしか取れず、1羽で串2本分くらいの貴重部位となります。なお、フリソデは人間でいうところの肩に相当するため、「鶏肩肉」という名称でスーパーに並ぶこともあるのです。
また、手羽元とむねの中間であるため、お店によっては皮付きで提供しているところもあります。皮の脂によって、鶏のジューシーさもより増すようになるでしょう。
1-6. 白子
白子(しらこ)は鶏の精巣です。一般的に白子といえば、タラ・鮭・フグなどの魚類の精巣を思い浮かべますが、鶏の白子も食べることができるのです。
魚類の白子といえばうねったヒダがあり不定形なイメージですが、鶏の白子は白い空豆のような見た目になっています。なお、卵のような形の白子もあり、鶏の種類によってそれぞれ変わっていくのです。
白子といえば、やわらかく溶けるクリーミーで濃厚な味を想像される方も多いと思いますが、鶏の白子は魚類の白子よりさらに濃厚だといわれています。見た目は固形ですが、口の中ではトロトロに溶け、クセも少なく食べやすいと、多くの方に親しまれています。
鶏の白子は精巣であり、雄の鶏にしかない部位であるため、手に入らないことも珍しいことではありません。雄鶏の食べごろといわれる生後120日ほどでは未成長な小さい白子であることも多く、これが原因で希少部位となっています。
2.メジャーな部位と合わせる
さまざまな希少部位がありますが、それらと同時にももや皮といったメジャーな部位も人気です。希少部位とメジャーな部位を一緒に食べることで、より楽しく焼き鳥を味わえるようになります。塩やタレなど、部位に合わせて味を変えてみると、よりおいしさが引き立つようになるでしょう。
3. まとめ

焼き鳥といえばねぎまやつくねなどが一般的ですが、あまり見かけない希少部位もおいしいものです。若干高価になってしまうことが多いのですが、お値打ち価格で提供しているお店もあるので、一度探してみてはいかがでしょうか。 「焼鳥ダイニング彩酉」では、大宮・お台場にて店舗展開しております。肉問屋直営ならではの新鮮な鶏肉だけでなく、芋・麦・米・黒糖など焼酎メニューも充実しております。希少部位もリーズナブルな価格で提供しておりますので、ご用命の際はお気軽にお越しください。