彩酉だより

焼き鳥の歴史を追う!

焼き鳥はいつから日本の定番料理になったの?

居酒屋で提供している料理は多々ありますが、その中でも外せないのは焼き鳥ではないでしょうか。値段も安く、気軽に楽しむことができる焼き鳥は、子どもから大人まで多くの人に親しまれています。 日本人に馴染み深い焼き鳥ですが、そもそも日本人はいつから焼き鳥を食べるようになったのでしょうか。今回は、焼き鳥の歴史について解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

1. 鶏との関わりはいつから?

焼き鳥の材料として用いられる鶏の祖先が日本にやってきたのは、新石器時代末期だといわれています。当時は食用ではなく、規則正しく鳴く習性を利用して時計の代わりとして用いられていました。
また、雄鶏は自分の領域にほかの鶏が入ると蹴爪で相手を攻撃するという習性を持っております。そのため、闘鶏用として飼われることも多かったそうです。

2. 平安時代~江戸時代

ここからは、焼き鳥の歴史について解説していきます。平安時代から江戸時代までを見ていきましょう。

2-1. 平安時代

野鳥などの鳥が食べられるようになったのは、平安時代からです。豊作を祈願する京都・伏見稲荷の参道で、害鳥だった雀を捕まえ、串に刺して食べたことが焼き鳥の起源とされています。
平安時代から鶏も食べる人も見受けられましたが、676年に食肉禁止令が発令されてしまいました。ただし、食肉すべてを禁じていたわけではなく、野鳥に限られますが、鳥を食すこと自体は許されていたそうです。なお、平安後期に書かれた「江家次第」には、雉子・鴨・小鳥などを食べていたという記載があります。

2-2. 室町・戦国時代

中世の鳥料理としては干物や煮物、焼物などの料理が登場します。また、串焼きとして食べていたこともあったようです。
鎌倉時代になると、武士はその力をつけるために豪勢な食事を取るようになりました。しかし室町時代になると、動物の肉を食べることは不吉な行動といわれるようになってしまい、あまり食べられなくなったそうです。
南蛮文化になると、これまで避けられていた肉を喜んで食べる南蛮人の影響で、再度食べるようになりました。しかし、鎖国や厳しいキリシタンの弾圧により、次第に食べる人も少なくなっていきました。

2-3. 江戸時代

1643年には鶏が食材として再び使われるようになり、主にご飯のおかずとして食べられていました。当時の焼き鳥は小鳥を開いたものが多く、現代の焼き鳥とは異なる形だったそうです。しかし時代が進むにつれて、徐々に現代の焼き鳥と近いものになっていくようになります。
幕末には、神社の参道などで焼き鳥が販売されるようになりました。当時は米作の害鳥であった雀を中心に焼き鳥にしていたようです。
当時の焼き鳥は、調理するときのみ串に刺し、提供時には抜かれていました。しかし江戸時代に屋台が流行り、偶然串付きのまま売ったところ、歩きながら気軽に食べられるという理由で串付きのスタイルが好まれるようになったのです。

3. 明治時代~現代
ここからは、明治時代から現代までの焼き鳥の歴史について解説していきます。

3-1. 明治時代

明治時代からは、西洋文化が続々と日本に伝わり肉食も盛んになってきました。牛鍋ブームとされていましたが、焼き鳥の屋台も多かったそうです。
しかし、当時鶏は手に入りづらく、主に野鳥が使われていました。ちなみに焼き鳥として調理するときは、もともと捨てる箇所だった端肉や内臓などを利用していたようです。素材を無駄にしないという日本人らしさが表れているともいえるでしょう。

3-2. 大正・昭和時代

大正時代になると、東京を中心に焼き鳥の屋台が多く誕生するようになりました。また昭和初期になると、鶏鍋を中心とする料理屋が焼き鳥中心の店へと変わっていきます。
敗戦後は、闇市の中に焼き鳥の屋台が登場しました。砂糖や醤油を使った作ったタレで味付けされた焼き鳥は、食料難で飢えていた人々の空腹を満たし、生きる活力を与えていったのです。
1950年代中頃から、ブロイラーという安価で手に入る若鳥が登場しました。このブロイラーによって、より多くの人に焼き鳥が知られるようになったのです。

3-3. 現在

平成になると、地鶏が脚光を浴びるようになりました。焼き鳥でチェーン展開を行う会社も、安さや手軽さだけではなく、食の安全性や品質などを求めるようになっていきます。
2006年には、全国やきとり連絡協議会が設立されました。さらなるファンを獲得するために、ファストフード感覚の焼き鳥を目指して活動しています。そして現在、焼き鳥は日本に限らず海外でも人気の日本料理として認識されるようになり、世界中の人に知られるようになりました。

4. まとめ

古くから日本の食文化と共に育ってきた焼き鳥ですが、現代の焼き鳥に近づいてきたのは江戸時代に入ってからだといわれています。世界中の人々から愛される日本のソウルフードである焼き鳥は、これからもさらなる進化を遂げていくことでしょう。 焼鳥ダイニング彩酉は、大宮・お台場に店舗を構える地鶏専門のお店です。もも肉や砂肝などのメジャーな部位はもちろん、希少部位もリーズナブルな価格で提供しておりますので、大宮・お台場にお立ち寄りの際はぜひお越しください。